オランダの給食事情

昨年11月より、貧困等の理由で朝食が取れない子供たちがいる 500校以上の小学校では朝食、昼食または休憩時間のおやつのための助成金の支給を受けている。助成金が受けられる学校は、貧困の中で育った子供たちの割合によって審査される。

 
児童教育財団では学校給食を企画、その影響について調査を行い、457校がアンケートに回答した。
 
その結果によると、3分の2の学校では給食提供後に子供たちがより元気になり、集中力も高まったと回答。また、一部の学校では授業中あくびをする子供たちが減り、より活き活きとした様子であると報告。また、子供たちのストレスが減り、クラスの雰囲気も改善されたとのこと。
4分の3の教師が学校での朝食提供が始まって以来子供たちがより健康になり、家庭の食事以外にも色々な食品があることを学んでいると回答。
児童教育財団によると、90%以上の教師が両親はこの企画に賛成しており、また、44%の教師が学校給食が始まって以来、多くの親が経済的な問題についてより助けを求めるようになったと回答している。
 
その一方でマイナス面もある。57%の小学校では多くの生徒が一緒に食事ができる広い場所の確保が難しかったり、食料を保存する棚や冷蔵庫がない等で、給食やおやつの用意が簡単ではないという。また、給食のための食品を前払いして購入できない学校もあり、そのような学校では購入先に支払いができず、児童教育財団に請求書を送付してくる場合もあるという。
 
「親は子供たちがそれなりに良い食事ができるようにしなくてはならない」と既に長い間言われてきたことであるが、インフレの影響もあり、厚生労働省では昨年1度限りで500万ユーロの予算を立てた。
Wiersma大臣は給食支給数を増やし、小学校で1億ユーロの予算を立てたいと発表し、下院ではその計画を前向きに捉えている。
 
参照サイト(2023年3月8日RTL Nieuwsサイト)
 
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オランダの小学校には給食がなく、子供たちはオランダ人が良く好んで食べる全粒粉パンにチーズやハムを挟んだり、チョコレートペーストやジャムなどを塗ったサンドイッチをランチに持ってきます。(ちなみに質素倹約のプロテスタント主義の影響なのか、チーズとハムの2種類を挟んだサンドイッチは贅沢に映るそうで、中に挟む具は1種類が多いです)
 
日本の公立小・中学校では給食が当たり前のように提供されますが、実は「学校給食法」という法律によって定めらており、下記のような目的も設定されているようです。
  学校給食の目標のポイント 
1.適切な栄養の摂取による健康の保持増進。 
2.食事について正しい理解を深め、健全な食生活を育む判断力や望ましい食習慣を養う。
 3. 明るい社会性と協同の精神を養う。
 4. 自然の恩恵への理解を深め、生命、自然を尊重する精神や環境の保全に寄与する態度を養う。 5.食生活が多くの人々の勤労に支えられていることを理解し、感謝する。
 6. 伝統的な食文化を理解する。
 7.食料の生産、流通及び消費について、正しく理解する。   
 
 
日本の給食の歴史はなんと明治時代からだそうです。
特にインフレの世の中、給食費の一部負担が重いご家庭も多いかもしれませんが、オランダの給食事情に比べると日本のような栄養バランスを考えた食事を学校で食べられる環境は恵まれているのかなと思います。